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はじめに:弥富防災・ゼロの会とは?
弥富防災・ゼロの会は、愛知県の防災研修「あいち防災カレッジ」に参加した住民が中心となり、2005年6月に弥富市の指導と協力のもとで結成された市民団体です。
弥富市は「ゼロメートル地帯」という地理的特性を持つため、特に水害リスクが高い地域です。当会は、この地域の特殊性を踏まえ、災害による**「死者ゼロ」を目指す**という強い決意を込めて活動しています。
会の目的
弥富防災・ゼロの会は、弥富市における専門性を持った防災ボランティアのネットワークとして、以下の目的のために活動しています。
- 弥富特有の災害(特に水害)に関する普及啓発: 地域の特性に応じた防災知識を広めます。
- 地域連携の強化: 自主防災会、行政、その他関係団体との連携を深めます。
- 災害時・復興時対応の組織づくり: 災害時に対応できる情報と人のネットワークを事前に構築し、顔の見える関係を通じて、現場に即した対応策を地域全体で進めます。
私たちは、地域防災活動団体(自主防災会)の地域性や規模の違いも踏まえ、個々の活動団体間の情報共有を促進し、団体相互の連携を強化することを目指します。特に弥富市の水害・津波を想定した情報集約が重要だと考えています。
私たちの活動内容
弥富防災・ゼロの会は、市民の防災意識を高め、地域全体の防災力を向上させるために、多岐にわたる活動を行っています。
1. 調査研究・情報発信
地域の災害リスクを深く理解し、それに対応するための具体的なツールや知識を提供しています。
- 地域のリスク調査: 2007年には「防災ウォーキング」で地域の危険箇所をチェックしました。
- ガイド・マニュアル作成:
- 2011年「減災の手引き(風水害編)」:早く安全な場所へ避難することの重要性を解説。
- 2014年「避難マニュアル」:避難の大原則や弥富市の避難場所を学区ごとに記載。
- 2015年「ゼロメートル地域の防災ガイド」:自分自身で命を守るための的確な行動を指南。
- 2018年「防災豆辞典」:防災用語を分かりやすく解説。
- 実態調査: 2020年には「弥富市地域防災活動実態調査」を実施し、地域の防災活動の現状を把握しました。
- 研究発表会: 2023年には「水問題から災害時のロジスティックを考える研究発表会」を開催しました。
2. 講演会・講座・展示
知識を伝えるだけでなく、参加者が自ら考え、行動するきっかけを作るための活動です。
- 防災市民講座(企画協力): 2007年には弥富市主催の講座に協力し、伊勢湾台風の記録や、堤防・橋の現場見学、気象学習などを通じて、市民が手作りのハザードマップを作成する機会を提供しました。
- 防災展・学習交流会:
- 2019年「水害に学び未来に備える防災展」、2020年「水害に学び未来を描く 防災学習交流会」など、体験型や対話型のイベントを定期的に開催。
- 2021年からはオンライン形式で「水害の基礎講座」「水害についてみんなで語ろう」を実施。国土交通省、愛知県、弥富市防災課など、専門機関の担当者を招き、木曽三川の高潮・津波対策、緊急輸送道路、弥富市の防災活動など、具体的な話題を提供しています。
- 伊勢湾台風追悼行事への協力: 2022年には伊勢湾台風追悼行事(クローバーテレビでの特番放送、朝日新聞掲載)に参加し、災害の教訓を伝承しました。
3. 防災施設見学会
実際に防災施設を訪れ、目で見て学ぶことで、防災への理解を深めています。
- 水管理施設: 水資料館、日光川排水機場、高須輪中排水機場、鍋田川水門、海部南部水道組合など、弥富の水害対策の要となる施設を見学。
- 学習施設: 豊田市防災学習センター、名古屋地方気象台、名古屋港防災センター、名古屋大学減災館など、広域的な防災拠点も視察しています。
4. 出前講座・防災行事協力
地域に密着した活動を通じて、住民一人ひとりの防災意識向上をサポートしています。
- 地域での出前講座: 各地域の自主防災会(前ケ平、かおるヶ丘、五之三、佐古木など)や、児童館、ふれあいサロン(カフェサロン海老江、てらカフェ五明)などで、無料の出張講座と実演を実施しています。
- 出張講座の内容: 「ゼロメートル地域の災害と命を守る要点」をテーマに、地図や写真で分かりやすく工夫されたスライドを使用し、場所や参加者層に合わせて内容を調整。防災を身近に感じてもらえるよう努めています。
- 防災イベントへの協力: 健康フェスタ、八穂クリーンセンターリサイクルフェアー、海翔高校・愛知黎明高校での防災講座、海部地区総合防災訓練など、地域の様々な防災イベントや学校の防災教育に協力しています。
5. 訓練等への参加・協力
行政や他団体と連携し、実践的な訓練にも参加しています。
- 愛知県・弥富市津波・地震防災訓練、海部南部消防組合消防職員技術発表会、消防団出初式、弥富市地域防災会議・国民保護協議会、木曽三川下流部広域避難実現プロジェクトなど。
6. 取材協力
メディアや地域づくり活動への協力も行っています。
- NHK(水郷の塔収録)、FMななみ(防災ひとくちメモ)、メ~テレ防災特番「池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ」など、様々なメディアの取材に協力しています。
私たちのお願い
弥富防災・ゼロの会は、各地域の特性を考慮した上で、「何が足りないのか」「何を伸ばしていくべきなのか」を明確にし、地域ごとの防災力を高めていくことを願っています。
災害から命を守り、地域を継続させていくためには、自主防災会や自治会の役員、福祉、医療、地域の様々な会社、建設業者、NPO、行政など、災害時に現場に立つ人々が、顔の見えるつながりを少しずつ広げていくことが不可欠です。
公開学習会では、この地域の水害がなぜ起きるのか、どのような治水対策がとられているのかなどについて学び、講演後には小グループでの自由な意見交換の時間を持ちます。この小さな交流から「持続的な地域の防災」への大きな交流へと繋げていきたいと考えています。
「地域の防災力」を高めるために、皆様のご参加とご協力を心よりお待ちしております。
弥富防災・ゼロの会