構造や、原理を知ろう 耐震改修など

愛知建築地震災害軽減システム研究協議会(減災協)

愛知県を含む東海地域は、高い人口集中度と過去の災害経験及び予想される東海地震・東南海地震などの高い災害ポテンシャルにより、地震防災対策強化地域及び地震防災対策推進地域の指定を受けるなど、全国的に最優先で総合的な地域災害対応力向上に取り組むことが社会的に強く要請されている。これに、効果的、機動的に応えるためには、この地域の自治体と研究組織が互いに連携することにより相互補完的に取り組むことが不可欠である。

このような中、愛知県内の3国立大学法人である名古屋大学、名古屋工業大学、豊橋技術科学大学は、平成17年度から19年度の3年間にわたって、文部科学省特別教育研究経費「耐震実験施設の効率的運用による東海地域の地震災害軽減連携融合事業(以下「地震災害軽減連携融合事業」という)」に取り組むことになった。

本事業は、愛知県および名古屋市の建設部局・防災部局、並びに外郭団体が推進する災害軽減施策を実効性あるものとするために、3国立大学法人の建築構造を専門とする教員が、法人化による組織の機動性を生かし、関連組織が互いに連携し、広く構造工学としての視点から取り組むものであり、これらの実験施設を効率的、有機的に活用できる統合型実験システムを構築し、地震減災対策を早急に実施しようとするものである。併せて新設設備として、当該の研究機関群が現有しない、先進的な設備の導入をはかり、これを広く共同利用施設とすることで、維持管理費を確保するなど、設備の高度利用と効果的な管理運営を視野に入れた計画を行うものであり、これによって、上記、喫緊の課題に取り組もうとするものである。

具体的には、耐震化戦略策定手法、低コスト高耐震化構法、技術普及プログラムの開発が見込まれる。3国立大学法人は、地震防災対策に必要不可欠となる耐震性検証用の構造実験施設を個別に有しており、これらの機関の緊密な連携による協働効果は質・量ともに計り知れないと考えられる。

「愛知建築地震災害軽減システム研究協議会」は、この地震災害連携融合事業を円滑かつ効果的に進めるとともに、その成果を幅広く地域に普及させるために、大学、行政、建築関係団体などにより設立するものである。

構造コラム第18回「コンクリートのせん断ひび割れ」⼀級建築⼠事務所 株式会社U’plan現在の日本では、建築物の構造体に使われる材料は木・鋼・コンクリートが主流になっています。その中でもコンクリートは、鉄筋コンクリート造はもとより木造や鉄骨造の基礎にも使用され、最も多く使用される構造材料と言えるでしょう。今回はそのようなコンクリートの性質についてご紹介します。コンクリートはひび割れしやすく、乾燥収縮やクリープ荷重(長期的にかかる荷重から瞬間的にかかる荷重を引いたもの)で簡単にひび割れてしまいます。補修管理を怠ると、鉄筋が錆びたりコンクリート片が落下して重大な事故につながりかねません。力学的には圧縮に強く、引張に弱いという特徴があります。引張力を受けると途端に割れてしまうため、構造計算ではコンクリートが引張に耐えることには期待しません。さらにもうひとつ、力のかかり方に「せん断力」という力があります。この力は物を二つに分断しようとする力で、はさみで紙を切ることができるのは、紙にせん断力がはたらくからです。このせん断力とコンクリートの関係について詳説しましょう。