避難の多様化と「指定外避難所」の可能性に関する意見交換会・まとめ
はじめに:議論の前提「避難の本質とは」
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「避難」の本質は「難を逃れるすべての行動」であり、必ずしも「指定された避難所へ移動すること」だけではない。
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コロナ禍以降、密を避ける観点からもこの認識が世論やメディア、行政の間で浸透しつつある。
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何が何でも外へ移動することが正解ではなく、状況(高齢者の夜間移動のリスク、自宅の安全性など)に応じた判断が必要である。
1. 避難場所・施設の正しい理解
行政が発令する避難情報とセットで開設される施設には、法律上の明確な違いがあり、正しく理解しておくことが重要です。
| 分類 | 定義・特徴 | 議論における指摘 |
| 指定緊急避難場所 | 命を守るために一時的に逃げ込む場所(津波避難ビルなど)。災害の種別(土砂、洪水など)ごとに適否がある。 | 看板の表記が複雑で市民に伝わりにくい課題がある。切迫した状況では指定の有無にかかわらず「目の前の高いビル」に逃げる判断も必要。 |
| 指定避難所 | 自宅を失った人などが**一定期間滞在(生活)**する場所。小学校の体育館など。 | そもそも生活の場として想定されていないため、質(QOL)の向上にはリソースの限界がある。 |
2. 避難の多様な選択肢(分散避難)
「全員が標準的な避難所に行く必要はない」という共通認識のもと、以下の選択肢(分散避難)が提示されました。
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在宅避難(垂直避難など)
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自宅が安全な場所(新耐震基準、ハザードマップ外など)にある場合は、自宅にとどまることが最善の選択肢になり得る(丸森町の事例:無理に移動したことで車中泊避難になり水没したケースもある)。
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「避難所に登録すれば在宅でも物資がもらえる」といった安心感を平時から伝えることが重要。
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近隣避難・縁故避難
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行政の避難所に行かなくても、近所の頑丈な家や仲の良いグループ(4〜5人)で集まって一時的に過ごす。
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広域避難
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大規模災害(南海トラフ地震など)を想定し、自治体間で協定を結び、リスクの低い他自治体の「広域避難所」へ避難する仕組み(高知市などの取り組み)。
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3. 「指定外避難所」に関する先進事例
指定避難所の量的不足や質の限界を補うため、行政が事前にルールをガチガチに固めない「指定外避難所」の活用が進んでいます。
事例①:高知市「災害時協力避難所登録制度」(令和8年1月開始)
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概要:民間施設(自動車学校や企業社屋など)を、大規模災害時に「余力があれば避難所として立ち上げる施設」として事前登録する制度。
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メリット:
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行政の「指定」ではないため、平時の運営マニュアル作成などの重い義務がない。
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特定の町内会限定など、柔軟な受け入れ設定が可能。
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発災後に機能した場合は、行政が後から「みなし避難所」として位置づけ、救助法の対象(プッシュ型支援など)にする。
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事例②:倉敷市「届け出避難所」
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概要:西日本豪雨の教訓から生まれた制度。地域の自主防災組織などが、自分たちの避難先(神社、お寺、個人宅、民間事業所など)を事前に市へ届け出ておく。
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メリット:
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行政職員は配置されず、運営は住民側が行う。
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市から少額の補助金(備蓄品購入費など)が出る。
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行政が「ここに人がいる可能性」を事前に把握できるため、発災後の安否確認や支援がスムーズになる。
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4. 民間企業・コミュニティとの連携と課題
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企業のポテンシャルと可視化
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民間企業(土木会社やパチンコ店など)の中には、独自に水や食料を備蓄し、数日間住民を受け入れる能力を持つところもあるが、その情報が地域住民に共有されていない(見える化の不足)。
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Win-Winの仕組みづくり(提案)
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企業が就業時間中は自社社員を優先せざるを得ないなど、受け入れの難しさはある。
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しかし、備蓄品のストック場所を提供してくれる企業に対し、行政が固定資産税の免除・軽減などの優遇措置を講じることで、産官学民がWin-Winになる仕組みが作れるのではないかという指摘があった。
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インフォーマル(柔軟)な仕組みの重要性
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インドネシアの「ポスコ(必要に応じて看板を掲げ、不要になれば閉じる柔軟な避難所)」のように、日本のガチガチの避難所システムにも「緩やかさ」や「人間同士の付き合いによる対応」を取り入れる視点が求められている。
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総括
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「水平移動」や「指定避難所」だけが絶対ではないという点において、参加者の意見は一致している。不足する避難所を補う上で「共助(民間や地域の力)」は不可欠。
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その大前提として「自助(自分の身は自分で守る)」を忘れてはならない。これは行政による見捨てではなく、「自分でできる人を増やすことで、公助(行政の支援)が本当に必要な人(要配慮者など)にしっかりと行き渡るようにするため」の極めて重要な戦略である。
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今後は、要配慮者の問題、避難所生活の質の向上、帰宅困難者対策など、さらに多角的な切り口での議論が必要である。
1. キーワード抽出
チャット内で頻出・重視されていたキーワードです。
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分散避難 / 在宅避難 / 垂直避難(避難所以外の安全確保の手段)
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安全な場所に行く=避難(避難の本来の目的)
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そもそも論(日本の防災論議における避難所偏重への警鐘)
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指定緊急避難場所 vs 指定避難所(命を守る場所と生活する場所の違い)
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キャパオーバー(大都市圏等における既存避難所の限界)
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届出避難所 / 指定外避難所 / 企業内避難(公的避難所を補完する地域・民間リソース)
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インフォーマル(ガチガチにシステム化しない緩やかな共助の仕組み)
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行政依存からの脱却(自助・共助の重要性)
2. 刺さる言葉(抜き書き)
参加者の現場感や本質を突いた印象的なフレーズです。
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「防災・災害対策=避難・避難所に行く」ではないという、今宵の議論の一つ前の「そもそも論」を忘れないでほしい。
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「避難する=避難所へ行く」というイメージが強かったんですけど、今は「安全な場所に行く=避難」のイメージがある。
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体育館はそもそも生活する事を想定してない。
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過去の水害で夜の避難行動中に亡くなった人がいた(からこそ、避難=避難所に行くではないことを伝えたい)。
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川崎市は143万人が避難所に入りきれない計算なので、そもそも在宅避難を考えて頂かなくてはならないです・・・。
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マンションが多いエリアなので、避難所管理者から「避難所に来ないで!!」と言われました。
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「行政に頼りっぱなしの防災」自体が危なっかしいと感じています…。
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企業が出来ることがいろいろあるのに、行政側の想像力が足りないなと感じます。
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システム化することで機能不全になる問題。あえてシステム化せずにインフォーマルのままおいておくことで機能することもある。
3. 論点整理
チャットの議論から浮かび上がる論点を4つに整理しました。
論点①:「移動すること(避難所へ行くこと)」から「安全を確保すること」への意識転換
これまでの「指定された避難所へ移動しなければならない」という固定観念から脱却し、「安全な場所に行くこと(または留まること)が避難である」という共通認識が広まりつつあります。
ハザードマップ上安全であれば「在宅避難(垂直避難)」をファーストチョイスとする考え方や、ペット同行、感染症対策(分散避難)の観点からも、避難所一択ではない状況に応じた判断が求められています。
論点②:用語の混同によるリスクと限界
「指定緊急避難場所(災害から命を守るために一時的に逃げる場所)」と「指定避難所(一定期間生活する場所、体育館など)」の違いが、住民だけでなく行政職員にも十分に浸透していないという課題が指摘されました。
この混同が、逃げ遅れや不適切な避難行動に繋がるリスクがあります。
論点③:既存の「指定避難所」が抱える物理的・環境的限界
大都市圏等では、そもそも全住民を収容するキャパシティが圧倒的に不足しています(川崎市やマンション群の事例など)。
また、「体育館は生活を想定していない」という指摘の通り、劣悪な環境での長期滞在は災害関連死のリスクを高めます。
キャパシティと質の観点からも、「避難所に行かない(行かなくても済む)選択肢」の確保は急務です。
論点④:行政依存からの脱却と、地域・民間リソース(インフォーマルな共助)の活用
「行政が全てやってくれる」という意識を変え、自助・共助を基本とする必要があります。
その解決策として、以下のポテンシャルが議論されました。
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指定外避難所の活用:企業の施設や物流センター、空き家、寺社などを一時的な避難先として活用する。(倉敷市や大垣市の「届出避難所」制度など)
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企業の積極的関与:企業が自社社員の帰宅困難者対策を行うだけでなく、物資の保管や地域住民の受け入れなど、支援側に回ることへの期待(それに伴う税制優遇などの後押しが必要)。
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インフォーマルな繋がり:行政によるガチガチの制度化・システム化だけでなく、顔の見える関係性や「いざという時はあそこに行けばなんとかなる」といった、柔軟で緩やかなネットワーク(インドネシアのPOSKOのような仕組み)が、結果的に災害時に機能することがある。
ご提示いただいた、防災の専門家や現場担当者による大変有意義な意見交換会の記録をもとに、一般の市民の皆様が直感的に理解し、今日から実践できる「新しい避難のかたち」として詳細なサマリーを作成しました。
地域の防災レターや回覧板、広報誌などにもそのままご活用いただけるよう、分かりやすく丁寧な言葉遣いで構造化しています。
【サマリー】命を守るための新しい選択肢
〜「避難=指定避難所に行く」という思い込みを変えよう〜
災害が起きたとき、私たちは真っ先に「近くの学校の体育館(避難所)へ行かなければならない」と思いがちです。しかし、近年の大規模災害の教訓から、避難の本質は「避難所へ行くこと」ではなく、「難を逃れ、安全を確保するすべての行動」であるという認識へ大きく変わっています。
一人ひとりの状況や災害の種類に応じた、これからのスマートな避難の考え方を分かりやすくまとめました。
1. 知っておきたい「3つの避難方法」と「施設の定義」
これからの防災は、行政が開設する避難所に頼り切るのではなく、事前に自分に合った避難先を選択する「分散避難」が基本となります。
① 避難の具体的な選択肢
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在宅避難・垂直避難
自宅周辺に土砂災害や洪水(水害)の危険がなく、建物が頑丈(新耐震基準など)であれば、自宅に留まることが最善の選択肢になります。マンションの上層階へ移動することなども立派な避難(垂直避難)です。
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親戚・知人宅への避難(縁故避難)
日頃から、災害リスクの低い地域に住む親戚や友人と「いざという時は助け合おう」と話し合っておくことで、環境の良い場所で安全を確保できます。
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指定外避難所・民間施設の活用
行政が指定する場所以外にも、地域のホテルや、事前に登録された身近な民間施設(パチンコ店、企業の社屋、お寺など)が一時的な受け皿になるケースが増えています。
② 「緊急避難場所」と「避難所」は別物!
行政が用意する施設には、役割によって明確な違いがあります。この違いを間違えると命に関わります。
| 施設の種類 | 目的と特徴 | 具体例 |
| 指定緊急避難場所 | 迫り来る危険から**「一時的に命を守る(逃げ込む)」**場所。※災害の種類(津波、土砂、洪水)ごとに適否があります。 | 津波避難ビル、高台の公園、立体駐車場など |
| 指定避難所 | 自宅を失った人などが、一定期間**「寝泊まりして生活を送る」**場所。※そもそも生活用の施設ではないため、満杯になりやすく我慢を強いられます。 | 小中学校の体育館、公民館など |
★過去の悲劇からの教訓: 過去の震災では、「いつも訓練で使っている避難所(体育館)」へ逃げたものの、そこが「津波の緊急避難場所」ではなかったために被災してしまった痛ましい事例があります。ハザードマップを見て、「この災害の時はどこへ逃げるべきか」を必ず確認しておきましょう。
2. 行政に頼りきらない!「自助」と「共助」の新しいカタチ
大規模災害が発生した際、行政職員も被災者になります。「行政がすべてやってくれる」という意識は大変危険です。
① 「自助」:自分の命は自分で守る大前提
行政の支援(公助)で本当に助けを必要とする人(寝たきりの高齢者や障害のある方など)へ確実に支援を届けるためには、「自力で安全を確保できる人(自助ができる人)」の数を増やすことが絶対に不可欠です。
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まずは自宅の家具を「突っ張り棒」ではなく「L型金具」で固定する。
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窓ガラスや食器棚に飛散防止フィルムを貼る。
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在宅避難ができるよう、水や食料、簡易トイレの備蓄を家族分用意しておく。
② 「共助」:ご近所や地域企業との「顔の見える」繋がり
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「不安」や「孤独」からの避難を減らす
「土砂や洪水の危険はないけれど、一人で家にいるのが不安だから避難所に行く」という高齢者の方が多くいます。これを解決するのは地域の力です。日頃の挨拶やゴミ出しの際の声かけを通じ、「雨がひどくて怖い時は、お互い声を掛け合って一緒に過ごそう」と言い合える4〜5家族の小さなコミュニティを作っておくことが、最も実効性のある防災になります。
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地域の民間リソース(資源)を見えやすくする
地域の企業(土木会社、物流センター、こども食堂など)には、「実は100人分の水や食料が備蓄されている」「炊き出しのノウハウがある」といった素晴らしいポテンシャルがあります。こうした地域の宝(リソース)を平時から住民が知っておくことが大切です。
3. 全国の先進事例に学ぶ「柔軟な避難所」の仕組み
均質で完璧な避難所を行政だけで大量に用意することは不可能です。そのため、あえてガチガチのルールを設けず、地域や民間の力を引き出す柔軟な制度が始まっています。
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高知市:「災害時協力避難所登録制度」
民間企業や施設(自動車学校や温浴施設など)を対象に、「発災時に余力があれば避難所を開設する」という緩やかな意思を事前に登録してもらう制度です。指定マニュアルなどの義務はなく、特定の町内会限定での受け入れも可能。発災後に機能した場合は行政が後から「みなし避難所」として位置づけ、迅速に物資支援を行います。
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倉敷市:「届出避難所」制度
西日本豪雨の教訓から生まれた、住民が主役の制度です。地域の自主防災組織などが「自分たちはいざという時、このお寺や事業所に逃げる」という計画を事前に市に届けておきます。行政職員は配置されず住民自身で運営しますが、市からは備蓄品購入の補助が出ます。行政が「ここに人がいる」と事前に把握できるため、安否確認や支援が非常にスムーズになります。
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インドネシアの知恵:「POSKO(ポスコ)」
事前の指定や届出はなく、災害後に「誰かが必要だと思ったら看板を掲げて避難所になり、不要になれば看板を下ろして閉じる」という非常に柔軟な仕組みです。日本でも特定の風水害などに限定すれば、こうした「インフォーマル(緩やか)で人間味のある繋がり」を取り入れる余地があります。
市民の皆様へのメッセージ
切迫した状況においては、遠くの「指定された避難場所」を目指すよりも、「目の前にある頑丈で高いビル」に逃げ込むといった、臨機応変な判断があなたの命を救います。
避難に「唯一の正解」はありません。
平時の今こそ、ご自身のハザードマップを確認し、家族や近所の方と「わが家の最適な避難の選択肢」について話し合ってみてください。
【テーマ: 「避難=避難所に行くこと」ではないという再確認】
1. 「避難≠避難所」の考え方と現状の変化
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「避難=避難所・避難場所に行く」という認識はまだ強いでしょうか?
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「防災・災害対策=避難・避難所に行く」ではないという「そもそも論」を忘れないでほしいです。日本の地域防災論議は、過度に避難所論議に偏重していると感じています。
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最近「分散避難」というワードを前面に出し、避難所以外への避難を市民に推奨している自治体もあります。
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地元行政として長年「避難≠避難所」と伝えてきた結果、東日本大震災の頃に比べ、「在宅避難」などいろいろな避難形態があるという認識が広まってきました。
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過去の水害(2009年佐用町)で夜の避難行動中に亡くなった事例などを話し、「避難=避難所に行く」ではないことを伝えています。コロナ禍以降「分散避難」の考え方が広がり、伝えやすくなりました。
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防災を学ぶ前は「避難=避難所へ行く」でしたが、今は「安全な場所に行く=避難」というイメージに変わり、様々な状況を想像できるようになりました。
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防災教室にて「自宅や親戚の家が安全であればそちらへ避難を」と伝えています。
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行政としては、自分いる場所が安全かを考えていただき、適切な避難行動をとっていただきたいです。
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報道でも“避難所一択ではない”案内に変わってきたと感じます。個人的にも猫を飼っているため、ハザードのない住宅を選び、在宅避難を第一に備えています。
2. 在宅避難・垂直避難などの具体的な選択肢
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自宅の安全が脅かされない限り「垂直避難」がファーストチョイスだと思っています。ただ、大雨が降ると早い段階で体育館に来られるお年寄りもいらっしゃいます。
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10階建マンションの3階に住んでいますが、子どもには何かあれば外に出ず「10階まで上がれ」と伝えています。親不在時でもマンション内なら避難できるためです。
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津波被害のない高台の学区では「在宅避難」を推奨し、その計画を練っています。
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基本は自宅避難。自宅が無理な場合でも、避難所の小学校へ行くには川を渡る必要があるため、町内の「自治会館」を1次避難所にしています。
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町内会として、イオンモールの立体駐車場3Fに車で避難するルールにしています。毎年イオンと合同訓練をし、高齢者の配車担当も決めています。
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可能な限り自宅避難と考えていますが、10階以上のマンションは長周期地震動に弱い点が課題です。
3. 避難所の限界と「緊急避難場所」との違い
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そもそも体育館は、生活する事を想定していません。
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大都市圏での広域災害を想定した場合、避難所の収容可能人数をはるかに超えてしまうのが本当に怖いです。
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マンションが多いエリアなので、キャパオーバーを懸念した避難所管理者から「避難所に来ないで!!」と言われたことがあります。
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命を守る「緊急避難場所」と、生活をする「避難所」は分けて議論が必要です。
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「指定緊急避難場所」と「指定避難所」の違いをしっかりと押さえてほしいですね。
4. 企業連携・地域共助の提案
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避難所のキャパオーバーや運営側の負担を減らすため、地域企業には社員の「企業内避難生活」を可能にしてほしいです。さらに、企業側が地域の避難所運営(物資配布や炊き出し等)の支援に回るのが理想です。また、顔の見える関係づくりのため、防災訓練は休日の午前ではなく、平日の午前に企業や病院、飲食店なども巻き込んで行うべきだと考えます。
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ご近所同士のつながりが薄れている課題もありますね。
5. 災害ごとの特性やその他の懸念点
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避難には2通りあります。大雨や土砂災害は事前に予測して避難できますが、突発的な地震の場合は避難所が開いていないという違いがあります。
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原発事故の場合は「避難=脱出」、避難指示区域の外側は「自宅に留まる=屋内退避」になります。
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最近の若い人は常にイヤホンをしており、外部の音が聞こえない状態なのが、防犯・防災上どうなのかと気になっています。
【テーマ:緊急避難場所と避難所の違い、地域・行政の課題】
1. 日頃の備えと地域のつながり(不安・孤独からの避難)
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まずは自宅内の家具配置換え!突っ張り棒ではなくL型金具での固定、ガラス飛散防止フィルムを貼りましょう。
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ご近所同士の繋がりが薄れているのは否めません。挨拶をするところから始めるのが大事ですね。地区防災の検証でも、地域の繋がりがとても重要だと思いました。
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ハードルは高いですが、日頃から地域のつながりを醸成できれば、「不安」で避難所に行く人が減るんでしょうね。
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「何から逃げるのか(災害リスク)」だけでなく、「不安からの避難」という視点も必要ですね。
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孤独感から避難所へ行く人もいますよね。
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引きこもりの方や精神疾患を持つ方は、なかなか周りに助けを求めることができないと思います。「災害に巻き込まれたら死んじゃうけど仕方がない」という方もいらっしゃいますね。
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不安の根源は「何が起きるか分からない、判断出来ない」こと。情報・認知・覚悟の不足からくるものなので、教える、慣れる、練習することで自信をつけてもらうことがアプローチになるのではないでしょうか。
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次のお題「緊急避難場所と避難所の違い」について。
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災害時に最初に避難するのが「指定緊急避難場所」。災害ごとの指定があります。この違いをしっかりと押さえてほしいですね。行政職員も分かっていない方が多いです。
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行政は違いをアピールしていますが、多くの住民は分かっていません。また、「避難所運営=行政」だと思われています。
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重複している施設が多すぎて、住民は判別できていないかもしれません。
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浜松市では、避難所と緊急避難場所の違いを知っている方は約4割です。
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能登半島地震時の富山市でも、海に近い一次避難所(小学校)ではなく、近所の二次避難所(避難所指定の中学校)に人が集まり、入り口のガラスが割られる問題が起きました。
3. 行政依存からの脱却と自助・共助の重要性
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個人的には、「行政に頼りっぱなしの防災」自体が危なっかしいと感じています。
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うちの自治会では「行政支援をあてにできない」と伝えていますが、防災活動をしていない近隣自治会では「すべて行政がやってくれるのが当たり前だ」と言い張る方がいます。行政職員の伝え方にも工夫が必要な気がします。
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「行政が全てやってくれる時代ではない」と根気よく伝えていくしかないですね。能登町で避難所運営をした経験から、行政職員も被災者になり、発災直後から対応できないこともあると話しています。
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「避難所へ行かないといけないのか?」と疑問に思ったことが防災を学ぶきっかけでした。訓練といえば学校へ集まって避難所を開設するものばかりで、仕組みを理解することが防災ではないはずなのに、そうなってしまっていると感じます。
4. 避難所の役割の変化と都市部のキャパシティ問題
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避難所の役割は、「①命を守る場所 → ②生活を立て直すまでの生活場所 → ③支援・情報のハブ」と時間経過で変わっていきますよね。
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川崎市は143万人が避難所に入りきれない計算なので、そもそも「在宅避難」を考えていただかなくてはならない状況です。
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大雨洪水時の江戸川区では、区外への「広域避難」を呼びかけています。
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息子が江戸川区住民ですが、地震や津波が来たらどこに一時避難するか悩みました。
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80年前のカスリーン台風時には、70キロ上流で利根川が決壊しましたが、その濁流が東京の下町まで届きました。
5. 情報伝達の課題(旅行客対応・計画の翻訳)
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看護師さんから「海外からの旅行者が増えているが、避難所はどうなっているのか?」と聞かれ、答えられませんでした。
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旅行客は(避難場所の違いが)分からないですよね。
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ここに参加される皆様は、ぜひとも「地域防災計画」を確認してほしいですね。
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自分の住む区の地区防災計画を見ましたが、これを住民全員が理解すれば凄いと思いつつ、「私たちのような防災オタクじゃないと理解できない!」と感じました。
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それを(住民に伝わるように)翻訳してあげてくださいね。
【テーマ:自助・共助のあり方と、企業・地域の新たな連携】
1. 防災を伝える人の役割(「防災オタク」から「翻訳家」へ)
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(難解な地区防災計画を住民に伝えるには)まずは危機管理課以外の市役所職員から伝えていくべきでしょうか。地域で「防災オタク」仲間を増やさなきゃですね。
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職員でも地域の方でも、どなたからでもスタートラインになりますよ。ただ、「オタク」というよりも防災の「通訳」「翻訳家」を増やしましょう。「オタク」という印象を持たれると、周りとの距離感を生んでしまいます(長年の経験から)。
2. 行政依存への警鐘と「自助」の再確認
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個人的には、「行政に頼りっぱなしの防災」自体が危なっかしいと感じています。
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「自助がまず第一、次に共助、公助は一番最後」です。
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地域の繋がりは大事ですが、自分で生き残れる能力がある人までもが依存してしまっている事に気づかなくてはいけない気がします。
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寝たきり高齢者のお宅について、デイサービスの方が鍵を持っているのに自治会には相談されず、行政に避難をお願いしている方が数名おられ、どうしたものかと考えさせられています。
3. 観光客や市外からの避難者への対応課題
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観光地に住んでいますが、観光客の方も避難所は使えるのでしょうか?
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市域外からの避難者問題も考えておきたいですね。情報は検索したり、SNS頼みになるでしょうね。
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検索してみたものの、「多分、旅行者の方には(避難所の仕組みが)わかりにくいだろうな」と感じました。
4. メディア報道と過去の教訓(正しい避難判断の難しさ)
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行政が「自宅外避難率」を重視しているため、マスコミもそれにつられて報道するのが危険だと感じます。
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行政は(自宅外への避難を)重視しているわけではないと思います。緊急避難場所にいる人数しか把握できないために、その人数を公表しているのだと思います。
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アンケート等の設問でも、「自宅・在宅避難」という選択肢は見かけませんね。
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過去には、新設の避難所への訓練通りに行動した結果、高台へ行かずに被災した「鵜住居の悲劇」や、大津波警報(6m)を信じて指定避難所に行かず屋上避難を選択し亡くなられた「七十七銀行女川支店」の悲劇がありました。
5. 企業の防災参画と、避難所の新しい機能(託児・託老など)
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発想を転換して、避難所を単に住民を受け入れるだけでなく「避難場所 兼 臨時の託児所&託老所」にできればいいと呼びかけています。緊急時に出勤する人の家族を、避難してきた人にケアしてもらえれば一石二鳥ですし、何らかの「役割」があれば、避難所に行く心理的ハードルも下がると思います。
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避難所のキャパオーバーや運営者不足を軽減するため、地域に点在する企業が自社内で「企業内避難生活」ができる状態を作るべきです。さらに、企業側が地域の避難所への支援物資の受け取り・配布に回ったり、飲食業の企業が食事提供支援をしたりできれば理想です。そのためにも、防災訓練は休日の午前ではなく、平日の午前に企業や病院、飲食店などの協力を得て行うべきです。
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それを進めるためには、役割を引き受けた企業に発生する損害や訴訟リスクをカバーする制度や保険が必要です。災害時に社員に作業を指示することは安全管理上の懸念もあります。結論としては「出来るところからやって行くしかない」のですが。
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本当にそうです。ただ、企業のトップがBCP(事業継続計画)を総務に丸投げするのではなく、トップ自身が会社のために一緒に取り組んでほしいものです。
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そういう前向きな企業が、社会的に評価される仕組みにしないといけませんね。
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その評価は、結果として(優良企業として)勝手に集まる求人応募者という形で現れるかもしれません。
【テーマ:指定外避難所(民間施設等)の活用可能性とインセンティブ】
1. 民間施設・寺社・空き家等のポテンシャルと実際の壁
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現在のお題は「指定をしていない避難場所と避難所のポテンシャル(と課題)」です。
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事業者(オフィスビル・駐車場)や寺社などに避難所活用の話をしても、宗派の問題や理事会の反対などで却下されることが多く、なかなか進みません。
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要望を受けて、自治会集会所、お寺、教会、葬祭事業者なども基準に基づき指定している自治体もあります。民間施設で問題になるのは「夜間の対応」ですね。
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民間にお話しすると「発災すぐに開設できない」「ケガなどをした際の責任問題がある」といった声が上がります。
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地区防災の取り組みで決めた指定避難所外の場所を「届出避難所」として登録できる制度がある自治体もあります。
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風水害限定ですが、宿泊施設を避難施設として利用する事例もあります。
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最近は物流センターや、社会インフラを担う企業が、自社を避難所としてPR・準備していると聞きます。
2. 「こども食堂」の活用と耐震性の課題
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食事の提供という面では「こども食堂」のポテンシャルが高いです。小さなキッチンで100食以上作れるのは強みです。
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気になるのは「建物の耐震性」です。古い空き店舗などだと厳しく、断水時の井戸やLPガス、地産地消の協定などがないと災害時に機能させるのは難しいでしょう。
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実際の活動は建物環境によりますが、地域団体と連携して炊き出しのノウハウを活かしたり、防災啓発の契機にする意義はあると思います。
3. 企業の防災参画を促す「税制優遇」や「補助金」の仕組み
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企業への固定資産税の減税などはいいですね。
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企業側の資産を貸し出す場合の固定資産税減免はGOODです。さらに、災害用備品(装置・車両・備蓄品など)の「減価償却の一括償却」を認めれば、公費を使わずに民間の投資が進むと思います。日本の防災は税制で損をしており、支援したい人がさらに損をする仕組みに感じます。
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防災備蓄のうち消耗品(食料品やトイレなど)は損金扱いにできるので、税金を払っている企業にはお得です。
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事業継続力強化計画認定企業であれば、機械設備の購入に税制優遇措置があります。また、企業の敷地内に「マンホールトイレ」を地下設置し、行政が補助金を出すことで住民も使えるようにする提案を自治体に行っています。
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帰宅困難者対策のための交付金や補助もありますが、駅の乗降客数などの条件があり、地方の自治体では使えないことが多いのが課題です。
4. 過去の教訓と「責任・判断」の難しさ
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東日本大震災時、七十七銀行女川支店では、避難所に行かず大津波警報(6m)を信じた支店長の判断で屋上避難をし、皆さんが亡くなる悲劇がありました。
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裁判では銀行側の安全配慮義務違反は認められませんでした。マニュアルもあり訓練もしており、事前に決められた通りに判断されました。想定以上の災害で判断が間違っていた場合の責任が問われるとなると、現在のハザードマップを信じて作る避難計画とは何なのか、という話になってしまいます。
5. インフォーマル(緩やか)な連携と顔の見える関係
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ガチガチにシステム化することで機能不全になる問題もあります。あえてシステム化せず「インフォーマル」のまま置いておくことで機能することもあります。実際に昨晩の土砂災害では、地域の方が自主的に施設を開設して受け入れてくれ、後から行政が引き継ぎました。
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自治会では毎年、市長と気軽にトークを実施し事前に質問事項を提出しています。市の担当部署の回答も直接聞けるため、住民からの行政へのクレームは減った気がします。
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忘れてはいけないのが「要配慮者」です。避難行動も避難生活も共助が必要です。
【テーマ1:避難の本来の意味と「分散避難」の推進】
1. 避難とは「難を逃れるすべての行動」である
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「水平移動」だけが避難ではない:
コロナ禍以前は、「避難=場所を変えること(指定避難所への水平移動)」という認識が強くありました。しかし本来の避難とは、「難を逃れるすべての行動」を指します。
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状況に応じた判断が必要:
「何が何でも外へ逃げる」ことが正解ではありません。例えば、大雨や地震の際、介護施設の入所者や、夜間で足元がおぼつかない高齢者が無理に外へ移動することは、かえって命の危険(リスク)を伴います。標準的な「避難所へ行くこと」を否定するわけではありませんが、一人ひとりの状況に応じた行動を選択することが重要です。
2. 行政のジレンマと「避難指示」の真意
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「避難指示=避難所開設」の固定観念:
行政側も「避難=避難所」とは思っておらず、自宅の上層階などで安全を確保できるならそれが最善と考えています。しかし、避難情報を発令する際、どうしても「セットで緊急避難場所(避難所)を開設しなければならない」という水平移動を前提とした思考に陥りがちです。
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夜間の避難指示のメッセージ:
夜間に避難指示が出た場合、「真っ暗な雨の中を避難所へ行け」という意味ではありません。「命の危機が迫っているので、自宅内で身を守る最善の行動を最優先してください」という強い注意喚起の意味が込められています。平時から、「家の2階など安全な場所に行くことも立派な避難である」と伝える工夫が求められます。
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3. 「分散避難」の実践とそのメリット(千葉市の事例)
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分散避難の推進:
千葉市では、避難所の生活環境(QOL)向上と災害関連死の防止のため、「分散避難」を市民に推奨しています。
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メリット:
通常の避難所とは異なり、あらかじめ自分で親戚・知人宅やホテルなどの避難先を考え、決めておくことで「事前準備」が可能になります。自分に合った避難先を確保することは、災害関連死を防ぐ大きな効果があります。
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課題:
啓発活動により理解は「やや進んだ」ものの、市民全体に一般化・浸透させるにはまだ時間がかかり、伝え方の工夫を続けています。
【テーマ2:避難所の限界と、地域コミュニティによる「小さな共助」】
1. 「在宅避難」の有効性と指定避難所(体育館)の限界
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在宅避難(垂直避難)の優先:
自宅が新しく(築10年程度など)安全が確認できる場合、古い小学校の体育館よりも自宅での「垂直避難」がファーストチョイスとなります。
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体育館の根本的な限界:
避難所の環境(スフィア基準など)を良くする努力は重要ですが、大前提として「体育館は生活することを想定して建てられていない」という事実があります。日本のリソースの限界を考えても、避難所以外の選択肢(分散避難)を持っておくことは不可欠です。
2. 地域の実情に合わせた独自のルール(一次避難所)
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危険を避ける独自の工夫(三島市の事例):
基本は自宅避難としつつも、指定避難所(小学校)へ行くためには「川を渡らなければならない」という危険な地域があります。そのため、自宅避難が難しい住民向けに、川を渡る手前にある「町内の自治会館」を一時的な避難所として開放するルールを町内で決めています。
3. 「災害リスク」からの避難と「不安」からの避難
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行政の悩ましい対応:
避難は本来「命を守るため」に行うものですが、実際には「一人でいるのが不安だから、人が集まる避難所に行きたい」という心理的な理由で避難を希望する高齢者も多くいます。危険性が低い段階で、この「不安」に寄り添うために、公共施設(図書館など)をストップしてまで避難所を開設すべきか、行政は日々対応に悩んでいます。
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4. 解決策としての「ご近所同士の小さな共助」
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「不安」を解消するコミュニティの力(静岡県藤枝市の事例):
不安だからと最初から行政(避難所)に頼るのではなく、ご近所同士で「雨がひどくて不安なときは、うち(自宅)においでよ」と声を掛け合う関係性を作っておくことが大切です。
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少人数での避難:
同じ組内の気の合う4〜5人程度で集まってやり過ごすのも、立派な避難のあり方です。いざという時に助け合えるよう、日頃のゴミ出し時の挨拶など、ご近所付き合いを通じて繋がりを保っておくことが重要です。
【テーマ:行政の苦悩と、避難場所・避難所の正しい理解】
1. 行政の悩み:「不安」を理由とした避難への対応
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「地域で助け合う」という人が多ければ行政も助かりますが、現実には「不安だから避難所を開けてほしい」という要望が多く寄せられます。
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まだ注意報すら出ていない段階で、一部の「不安」に応えるために、本来の業務(例えば子どもたちが利用している図書館など)をストップしてまで避難所を開設すべきなのか。行政としてどこまで寄り添うのが「最適解」なのか、日々悩んでいます。
2. 「緊急避難場所」と「避難所」の違いを再確認
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指定緊急避難場所:津波などのリスクから取り急ぎ「命を守る(逃げ込む)」ための場所(津波避難ビルなど)。数日〜1ヶ月など長期間寝泊まりする場所ではありません。
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指定避難所:家を失った人や、自宅に住めなくなった人が「一定期間滞在(生活)」するための場所です。
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どちらも「命を守る」目的は同じですが、「直近の危機から逃れる場所」が緊急避難場所、「中長期的に生活をしていく場所」が避難所という明確な違いがあります。
3. 用語を正しく知ることの重要性(過去の教訓)
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東日本大震災の際、「いつも避難訓練をしている場所(=指定避難所)」へ逃げたものの、そこは「津波の緊急避難場所」ではなかったため、津波にのまれてしまったという痛ましい事例がありました。違いを正しく知ることは命に関わる重要なポイントです。
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まずは原則(なぜそのような指定になっているのか)を正しく理解しておくことが大変重要です。その上で、「自分の場合は例外かな」と状況に応じて判断するのが良いでしょう。
4. 看板表記の限界と「災害種別ごとの選択」
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地域住民には「指定緊急避難場所と指定避難所は別物だ」と伝えていますが、理解してもらうのが難しいため、最近は「災害の種類(ハザード)によってどこに行けばいいか」という伝え方にシフトしています。
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緊急避難場所の看板には、国が定めたガイドラインに沿って「土砂災害は〇、洪水は×」といったマークが表記されていますが、すべてを看板に詰め込むと複雑になりすぎて、かえって住民には伝わりにくいというジレンマがあります。
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マークをたくさん付けると何が良いのか分からなくなってしまうため、実は看板にマークを付けていない自治体もあります。平時から防災マップやハザードマップで確認していただくようにお願いしています。
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「正しく伝えること」と「分かりやすく伝えること」は違います。すべてを看板で知らせるのではなく、平時から地域で勉強し、認知を広げておくことが重要です。
5. 臨機応変な判断の必要性
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自宅近くの緊急避難場所や避難所を知っておくことは大切です。
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しかし、切迫した状況においては、遠くの「指定された場所」を目指すよりも、「目の前の高いビル(指定外であっても)」に逃げ込むといった、自らの命を守る判断も必要になってきます。
【テーマ:行政の苦悩と、避難場所・避難所の正しい理解】
1. 行政の悩み:「不安」を理由とした避難への対応
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「地域で助け合う」という住民が多ければ行政も助かりますが、現実には「不安だから避難所を開けてほしい」という要望が多く寄せられます。
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まだ注意報すら出ていない段階で、一部の方の「不安」に応えるために、本来の業務(例えば子どもたちが利用している図書館など)をストップしてまで避難所を開設すべきなのか。行政として、どこまで寄り添うのが「最適解」なのか、現場では日々悩みを抱えています。
2. 「緊急避難場所」と「避難所」の違いを再確認
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指定緊急避難場所:津波などのリスクから取り急ぎ「命を守る(逃げ込む)」ための場所(津波避難ビルなど)。数日〜1ヶ月など長期間寝泊まりする場所ではありません。
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指定避難所:家を失った人や、自宅に住めなくなった人が「一定期間滞在(生活)」するための場所です。
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どちらも「命を守る」という目的は同じですが、「直近の危機から逃れる場所」が緊急避難場所であり、「中長期的に生活をしていく場所」が避難所であるという明確な違いがあります。
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3. 用語を正しく知ることの重要性(過去の教訓)
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東日本大震災の際、「いつも避難訓練をしている場所(=指定避難所)」へ逃げたものの、そこは「津波の緊急避難場所」ではなかったため、津波にのまれてしまったという痛ましい事例がありました。だからこそ、施設の違いを正しく知ることは命に関わる重要なポイントです。
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まずは原則(なぜそのような指定になっているのか)を正しく理解しておくことが大変重要です。その上で、「自分の場合は例外かな」と状況に応じて判断することが求められます。
4. 看板表記の限界と「災害種別ごとの選択」
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地域住民に「指定緊急避難場所と指定避難所は別物だ」と伝えてもなかなか理解されにくいため、最近は「災害の種類(ハザード)によってどこに行けばいいか(チョイス)」という伝え方にシフトしている地域もあります。
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緊急避難場所の看板には、国のガイドラインに沿って「土砂災害は〇、洪水は×」といったマークが表記されています。しかし、すべてを看板に詰め込むと複雑になりすぎて、かえって住民に伝わりにくいというジレンマがあります。
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マークをたくさん付けると何が良いのか分からなくなってしまうため、あえて看板にマークを付けていない自治体もあります。代わりに、平時から防災マップやハザードマップで確認するよう呼びかけています。
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「正しく伝えること」と「分かりやすく伝えること」は違います。すべてを看板で知らせるのではなく、平時から地域で勉強し、認知を広げておくことが重要です(旅行客などには防災アプリ等の多言語対応で補完します)。
5. 臨機応変な判断の必要性
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自宅近くの緊急避難場所や避難所を知っておくことは大切です。
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しかし、切迫した状況においては、遠くの「指定された場所」を目指すよりも、「目の前の高いビル(指定外であっても)」に逃げ込むといった、自らの命を守る臨機応変な判断も必要になってきます。
【テーマ:臨機応変な避難行動と、指定外避難所の可能性】
1. 「指定」に縛られない、命を守るための直感的な行動
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例えば、知らない土地で地震に遭い、津波から逃れる場合を想像してください。「あそこが津波避難ビルに指定されているから」と、わざわざ300m離れた指定場所を目指しがちですが、命を守るためには、指定されていなくても目の前の高い建物(強固なビルなど)に逃げ込むことで構わないわけです。
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「指定」の呪縛からの解放:「指定されているから、そこに絶対に行かなければならない」「指定された場所だけを目指さなければならない」というイメージを持ってしまうと、かえって逃げ遅れて命を失う危険性があります。いざとなったら、今いる高い建物に留まるなど、「命を守るために最善の行動をその場で選択する」という認知を広めることが必要です。
2. 指定避難所・指定緊急避難場所のメリットとデメリット
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メリット(行政が指定する強み):行政が地域防災計画に位置づけているため、スタッフの配置、外部支援の受け入れ、物資の備蓄など、「事前対策(プッシュ型支援)」を計画的に行えるという大きな強みがあります。
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デメリット(指定の限界):一方で、指定されていない場所(民間施設や自主的な避難場所など)には、原則として行政からの物資や支援が届きにくいという問題があります。
3. 指定外の場所(みなし避難所)への支援の広がり
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以前から「指定されていない場所に支援が届かないのは問題だ」という議論があり、近年では改善が進んでいます。
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災害発生後、実際に人が避難して機能している場所があれば、行政が後から「みなし避難所」として位置づけ、災害救助法の対象として支援物資などを届ける仕組みが定着しつつあります。
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「指定されていないから支援の対象にならない」というわけではないことを、私たちもしっかりと認識しておく必要があります。
4. 施設が持つ「二つの顔」と備蓄の考え方
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施設の兼務:小学校の施設などは、「指定避難所(生活する場所)」でありながら「津波の指定緊急避難場所(一時的に逃げ込む場所)」でもあるなど、両方の役割を兼ねているケースが多くあります。
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備蓄の最適化:例えば、津波で浸水するリスクがある場所の緊急避難場所に、長期滞在用の物資を大量に備蓄するのは合理的ではありません。「どういったハザードに対して逃げる場所なのか」を整理し、施設ごとの役割に応じた備蓄や対策を考えていく必要があります。
5. 避難所の実態と「在宅避難(垂直避難)」の選択
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「避難=避難所に行かなければならない」とばかり伝えられていますが、本当に全員が入れるのか疑問に思ったことが、防災を勉強するきっかけになったという声があります。
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水害の際、あえて避難所へ移動しようとしたために、車が水没したり閉じ込められたりした方が多かったという教訓があります。
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「自宅の2階への垂直避難」を選んだ場合、アンケート等で「避難所に行っていないから避難していない」と答えてしまいがちですが、「移動しない(自宅に留まる)ことで命を守る」という立派な避難行動です。ただ、いざという時に家族間で意見が分かれる(1階に留まろうとする高齢者など)難しさもあります。
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高齢の独居の方などは、そもそも自力で避難所へ移動できないという問題があります。「避難所に行かないと支援物資(ご飯)がもらえない」と思い込んでいる方もいますが、「在宅避難でも支援は受けられる」と伝えることで、無理に移動せず自宅に留まる選択をする方も増えてきています。
【テーマ:状況に応じた避難判断と、高知市の新たな取り組み】
1. 避難に「唯一の正解」はない(自ら判断することの重要性)
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モデレーター(進行): これまでの議論は、決して「在宅避難」だけに誘導したいわけではありません。「指定避難所へ行くこと」を否定しているわけでもなく、どちらが大事かという議論でもありません。 大切なのは、「避難=避難所へ行くことだけではない」と一度思い込みをリセットし、状況に応じて自ら正しく判断することです。それが唯一の答えであり、行政の仕事は、そのための「選択肢」をなるべく多く用意し、周知していくことだと考えています。 中山間地域の高齢者世帯など、「無理に移動するよりその場に留まる(在宅避難・垂直避難)」ことが命を守る最善の選択肢になる場合も当然あります。
2. 事例紹介の背景:南海トラフ地震への備えと「避難所の圧倒的不足」
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モデレーター(進行): ここで、高知市の事例をご紹介します。 南海トラフ地震(千年に一度と言われる最大規模の想定)が発生し、大規模な津波浸水が起きた場合、高知市では「指定避難所が圧倒的に足りなくなる」という非常に厳しい試算が出ています。この現実的な課題(必然性)から、以下の二つの取り組みを進めています。
3. 高知市の取り組み①:「広域避難」の推進
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内容: 避難所の量的不足を補うため、粟田先生も研究されている「広域避難」の取り組みを推進しています。 平成27年度から高知県中央広域で協定を結んでおり、近年では高知市と近隣の町(仁淀川町など)との間で、広域避難所の仕様やマニュアル作りなど、具体的な協定や整備を進めています。
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意義: 災害の規模によっては、自分の自治体内だけでなく「他の自治体へ避難する(広域避難)」という選択肢を持つことが非常に重要になります。
4. 高知市の取り組み②:「災害時協力避難所登録制度」の開始
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内容: 令和8年(2026年)1月から、「災害時協力避難所登録制度」を開始しました。 これは、能登半島地震の際、指定避難所ではなかった「七尾自動車学校」が、自発的に学生や地域住民を受け入れて避難所として機能した事例を参考にしています。
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仕組みとメリット:
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平時から行政の「指定避難所」としてガチガチに指定するわけではありません(指定避難所ではないため、平時の重い義務はありません)。
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大規模災害時に、民間施設側が「余力があれば避難所として立ち上げてくれる」という意思を、事前に行政に登録しておく制度です。
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行政が事前にそのポテンシャルを把握しておくことで、いざ施設が避難所として立ち上がった際、行政が「みなし避難所」として位置づけ、災害救助法の対象としてプッシュ型支援(物資の提供など)を迅速に差し伸べることができます。
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行政、施設、地域住民の三者すべてにメリットがある仕組みです。
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【テーマ:避難所の「質の向上」と、民間施設のポテンシャルの可視化】
1. 避難所の「量の拡大」と「質の向上(スフィア基準)」
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避難所を考える際、「量の拡大(収容人数の確保)」だけでなく「質の向上」も重要です。国際的な基準である「スフィア基準」等に基づき、避難環境を良くしていく取り組みが進んでいます。
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事例①(プライバシー確保):金沢市の1.5次避難所などのように、しっかりと間仕切り(パーテーション等)をして管理・運営する事例。
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事例②(入浴機会の提供):民間事業者(温浴施設・スーパー銭湯など)と協定を結び、被災者に「入浴の機会」を作っていく取り組み。
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指定避難所が圧倒的に不足する中で、「指定外避難所」の量を増やすことと同時に、全体の「質の向上」を図ることが行政の大きなテーマになっています。
2. 高知市「災害時協力避難所」の柔軟な仕組み
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高知市の「災害時協力避難所登録制度(民間施設の事前登録)」は、行政のためではなく、純粋に「地域貢献」の仕組みです。
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最大のメリット(ハードルの低さ):条件は「新耐震基準」を満たしていることだけです。行政の指定避難所のように、細分化された運営マニュアルを作ったり、「こういう時は絶対に開けなければならない」といった厳しいルールはありません。
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柔軟な運用:民間施設側に対し、「発災時に余力があれば受け入れてほしい」「いざという時、自社の被害等で避難所として機能できなくても構わない」という非常に柔軟な(インフォーマルな)スタンスで登録をお願いしています。
3. 地域住民の気づき:「看板はあるが、中身を知らない」問題
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ある地域では、津波の浸水エリアで公共工事等を受注している土木関係の会社の社屋に、緑色の看板で「津波避難ビルに指定されています」と掲示されていました。しかし、住民側は「いざという時、どうやって入るのか?」「そこで何日間、難を逃れて過ごせるのか?」を全く知りませんでした。
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直接聞いて分かった驚きの事実:住民が気になって企業の方に直接聞きに行ったところ、「3階の会議室に100人収容できます。しかも、100人なら2日間まかなえる水と食料も提供できますよ」と教えてくれました。企業側はそこまでちゃんと段取りをしてくれていたのに、住民側はそんな大事な地域のポテンシャルを全く知らなかったのです。
4. 指定外・民間リソースの「見える化」の重要性
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先ほどのエピソードは、本日の最大のトピックと言えます。行政が指定しているか・していないか(または緊急避難場所としての指定のみか)に関わらず、民間企業がそこまでのポテンシャルと地域貢献の意思を持ってくれているケースがあります。
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その「地域の防災資源(リソース)」を住民自身が知り、行政も把握して繋げていくことが、避難所以外の選択肢(指定外避難所など)を広げていく上で最も重要なポイントになります。
テーマ:民間施設の柔軟な活用と、企業参画を促す仕組みづくり】
1. なぜ「指定避難所」ではなく「指定外(登録制度)」なのか?
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民間施設(ホテルや大型遊技場など)には高いポテンシャルがありますが、「公的な指定避難所」になることには大きなリスクと責任(平時・有事のマネジメント、セキュリティ問題など)が伴うため、なかなか指定が進まないという現実があります。
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「指定外」だからこそできる柔軟な対応:指定避難所(災害対策基本法に基づく)になると、行政のルールに従う必要があり、「誰でも(観光客等も)受け入れなければならない」等の制約が生じます。しかし「指定外」であれば、基本的なルールを施設側が決めることができます。例えば、「一般にはオープンにしないが、近所の〇〇町内会の人たちだけなら受け入れる」といった、地域に寄り添った柔軟な対応が可能になります。「登録制度」は、この指定と未指定の隙間を埋めるためのものです。
2. 民間と地域の連携:場所の提供だけが支援ではない
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過去の震災の頃から、地域の事業所と住民が連携して消火や避難活動を行う取り組みがありました。企業による支援は「避難所という場所の提供」にこだわる必要はありません。
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例えば、「災害時の物資の置き場所(保管場所)を提供する」「避難所までの物資輸送を手伝う」といった形での協力も立派な支援です。大きな企業でなくても、自分たちが持っているリソース(資源)を可能な範囲で少しずつ提供し、地域の復興や生活の質向上に貢献することは十分に可能です。
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企業側のメリット(従業員の士気向上):行政や地域と協定(紙の形であっても)を結ぶことは、「自分たちの会社は地域貢献をしているんだ」という従業員の誇りやモチベーション向上に繋がり、企業にとっても大きな効果があります。
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3. 企業の防災参画を促す「Win-Win」の仕組み(税制優遇など)
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民間企業が災害協定を結んだという素晴らしい事例は増えていますが、もっとクローズアップされ、光が当たる(PRされる)仕組みが必要です。
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一方で、企業側には「就業中であれば自社の社員の安全確保を優先せざるを得ない」「帰宅困難者への対応で手一杯になる」といった厳しい現実の課題もあります。
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行政への提案(優遇措置):例えば、企業が自社の敷地を「地域住民の備蓄品の集積場所」として貸してくれるのであれば、行政はその場所に対する「固定資産税の免除・減税」などの優遇措置を設けるべきです。住民・行政・企業(産官学民)のみんながWin-Winになる仕組みを一歩踏み込んで作ることができれば、企業も指定外避難所などの地域防災に参画しやすくなるはずです。
4. 地域のポテンシャルを「見える化」する
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ガチガチの「義務規定」を設けるのではなく、まずは「地域にどんなリソース(民間施設のポテンシャル)があるのかを見える化する」ことが重要です。
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「協定を結んでいる企業があることは知っているが、それがどこなのか知らないことに気づいた。明日調べてみる」という声もあったように、まずは地域住民自身がそのポテンシャルを知ることが第一歩です。
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過度な制度化(義務化)によるデメリットを避けつつ、地域の資源をどう拾い上げ、繋いでいくのかが今後の課題となります。
【テーマ:住民が主役になる「届出避難所」と、避難所の新しい形】
1. 倉敷市の「届出避難所」制度:住民自ら避難先を決める仕組み
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西日本豪雨の教訓から生まれた制度です。豪雨時、指定避難所ではない神社、お寺、個人宅などが結果的に避難場所として機能し、事後的に「みなし避難所」として支援を受けられた経験がベースになっています。
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制度の概要とメリット:
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地域の自主防災組織などが、あらかじめ「自分たちはどこ(お寺や事業所など)に逃げるか」を計画し、市に「届出避難所」として登録しておくことができます。
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行政職員は配置されず、住民側が主体的に運営することが前提です。
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市からは少額(数万円程度)ですが備蓄品購入などの補助が出ます。
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最大のメリットは、「ここに人が避難している可能性がある」ということを行政が事前に把握できるため、発災後の安否確認や支援がスムーズになる点です。
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2. 制度化のジレンマ:「完璧」を求めすぎないことの重要性
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指定避難所以外の選択肢が社会に増えてきているのは事実です(学校の体育館だけでは全員を収容しきれないという認知も広まっています)。
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しかし、新しい仕組み(届出避難所や協力避難所など)を行政が作ろうとすると、「あれもこれも完璧にしよう(実効性を持たせよう)」として要件が重くなり、結果的に制度が使いにくくなるというジレンマがあります。
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均質な避難所を量産することはもはや不可能です。ですから、「こんな設備がなければならない」といった大きな負荷(ハードル)をかけず、多様な避難の形を受け入れる「器」として制度を捉える方が良いでしょう。まずは「地域で多様な避難の動きがあることを行政が把握しておく(ポテンシャルを知る)」というスピード感の方が大事です。
3. 「避難所」から「生活の場(居場所)」への転換
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「神経質で人が起きていると寝られないタイプなので、『収容施設』のような指定避難所には行きたくない」という声もあります。しかし、ダンボールで作る「スモールハウス」のような工夫があれば過ごせるかもしれません。
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住民参加型の訓練の広がり:岡山では、ケアマネージャーさんなどが中心となり、要配慮者(おじいちゃん・おばあちゃん、発達障害の子どもなど)も含めた地域の人を巻き込んで、「あるものを使って自分たちの居場所(快適な避難所)を作る」という実践的な訓練が増えています。
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行政があてがう「収容施設」としてではなく、住民が主体的に「生活の場」として避難所を作っていくマインドを持てれば、避難の選択肢はもっと広がると感じます。
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4. 共助のエンパワーメントと、地域のコーディネート
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行政があてがったものに黙って従うのではなく、地域の共同体(コモンズ)が自ら居場所を作り上げていくことが本来の姿です。
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今、地域コミュニティがギリギリの状態になったり、町内会が解散している地区もあります。そんな中で、防災士さんたちが地域のコーディネーターとして地域を結び直し、「防災を軸にして道を繋いでいく」サポートが必要です。そして、そこに地元の企業さんたちも参画できる機会を作っていくことが重要となります。
【テーマ:緩やかなネットワーク(インフォーマル)の力と「自助」の再確認】
1. 避難所外避難を支える「小さなコミュニティ」の力
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指定避難所以外(在宅や自主的な場所)で避難生活を送る場合、「平時からのコミュニティ(共助)」に属していることが非常に重要になります。
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例えば、5家族ぐらいがグループになれば、「介護ができる」「子育ての知識がある」「力仕事(工作など)ができる」など、お互いの得意分野を補完し合い、生活に必要な要素を網羅できる完全なイメージがあります。こうした繋がりを平時からどう作るかが、これからの大きな鍵になります。
2. インドネシアの「POSKO(ポスコ)」に学ぶ柔軟な避難所
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インドネシアには「POSKO(ポスコ)」という柔軟な避難所の仕組みがあります。これは事前の指定や届出がなく、災害発生後に「誰かが必要だと思えば看板を掲げて避難所になり、もう必要なくなれば看板を下ろして閉じる」という非常にインフォーマル(緩やか)なものです。
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日本のカチッとした避難所システムとは対極ですが、特定の災害(風水害など)に限定したり、宿泊施設を避難所として利用する動きなど、日本でも状況を区切れば、こうした柔軟な仕組みを取り入れる余地があると考えられます。
3. 制度化の壁と「人間同士のネットワーク」の強さ
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行政が「将来の災害のために、何十年も土地や施設を確保し維持し続ける」ことは、現代では限界があります。だからこそ、「いざという時は土地や施設を貸してね」という緩やかな約束(インフォーマルな関係)が実は正解なのですが、それを行政の「制度(公式な仕組み)」に落とし込もうとすると難しくなる、というジレンマがあります。
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熊本地震の際、表には出ていませんが、実は町の災害対策本部が主導したのではなく、現場の職員個人の「人間同士のネットワーク(繋がり)」によって、地域の倉庫や町内企業の施設が(事前の協定なしに)物資拠点などとして勝手に確保され、動いていたという事実があります。
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事前の制度化や学術的な評価は難しいですが、いざという時に力を発揮するのは、こうした「顔の見える緩やかな繋がり」であるのも事実です。
4. 本日の総括
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これまでの議論を総括すると、以下のようになります。
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「指定避難所」がすべてではない:「水平移動」や「指定避難所」へ行くことだけがすべて(絶対)ではないという点で、意見が一致していました。
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「共助」の重要性:避難所の数が絶対的に足りない中、企業など「協力してもらえる避難所(指定外避難所)」を税制優遇などのメリットも交えながら増やしていくこと、すなわち「共助の力」が大変重要です。
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「自助」の再確認:最後に絶対に忘れてはいけないのが「自助(自分の命は自分で守る)」です。「自助」を求めることは、決して住民を見捨てることではなく、むしろ正反対です。「公助(行政の支援)」で本当に支援が必要な人(要配慮者など)を助けようと思うなら、自力でなんとかできる(自助ができる)人の数を増やさなければなりません。誰もが「行政がなんとかしてくれる」と言って動かなければ、本当に助かるはずの命も助からなくなってしまいます。
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今後の課題:本日は十分に議論できませんでしたが、「要配慮者の問題」「避難所生活の質」「帰宅困難者対策」「広域避難」など、多様な切り口がまだたくさんあります。引き続き意見交換を続けていくことが重要です。
(最後に全体で「防災頑張るぞ!」と掛け声を合わせ、閉会となりました。)
